店長日記

モスリン(毛斯倫)

2011年09月22日

この布のルーツはメソポタミア北部に興った世界帝国であるアッシリアの首都モスール。

17世紀にはエジプト経由でヨーロッパで登場し、江戸の末期に日本に伝わりました。

明治、大正、昭和の時代を経て現在に至るわけですが、

薄地で柔らかくあたたかいウール素材は、

高価な絹などに手が出せなかった庶民を魅了し

普段着用の着物、襦袢、軍服などに用いられていました。

現在では東北地方で流通する以外は、目にする機会は減っています。

そういえば、大阪市と尼崎市戸ノ内町を結ぶ「毛斯倫大橋」という橋があるのですが、

この橋は「毛斯倫株式会社」という会社が大正末期に「私橋」として架けたもので、

昭和7年に大阪市が引き継ぎいでいます。

大正時代は、私橋が掛けられるほどモスリンの需要は最盛を極めていたようで、

日本人にとっても不可欠な布であったようです。
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